現代に生きる職人技 TOTO便器

by Digitized Information on 2010年7月5日月曜日



古来より毎日お世話になっている便器、たかが便器されど便器である。
便器の材質は金具を除けばすべて瀬戸物つまり茶碗と同じ陶土から作られているのは周知の通りである。現在は最先端の工場でナノテクノロジーの粋を集めて生産されている。それでも「匠の技」が随所に織り込まれている。そのひとつは便器は形状が大きく複雑なため重力などの影響を受けやすく、部位ごとの焼成時の収縮率がまちまちなのである。だから予めかなり水分を含んだ状態で成型加工されるが、乾燥・焼成工程で水分蒸発とともに縮小してしまう。型から出した直後と完成品では1割以上も寸法が変わるという。この工程には長年受け継がれた熟練の技が息づいているという。
例えば便器は「胴」の本体と「リム」とい呼ぶ上部を別々に型で成形し職人が二人でペアになり型を接合して経験と勘が匠のセンサーとなって体全体で作り上げるのである。この時点ではゴムのように柔らかいので二人の呼吸を合わせ慎重に接合し最後にバリ取りをする。さらに何工程も通りながら、複雑な立体物に均一に釉薬を吹き付け丸24時間かけて焼成する。そして厳しい最終検査を合格した製品だけが世の中に「運=うん?」よくデビューできるのである。
そして「匠の技」を今ではデータベース化し、CTスキャンや流体解析などの最先端技術を駆使してさらに磨き上げ進化して行くという。
初めて新しい便器に座した時、妙に人の温もりを覚えていたことを思い出す。きっと職人さんの手触りがあっと思うと、何故かお尻がくすぐったい気にもなる。

TOTOのサイト→http://www.toto.co.jp/products/toilet/toilet_list.htm

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