新たな表示原理のディスプレイ (MEMSシャッター方式)

by Digitized Information on 2010年11月2日火曜日


従来の液晶ディスプレイの改良でもなく、有機EL次世代ディスプレイでもない、新技術を使ったディスプレイを日立ディスプレイがピクストロニクス社(米国)の技術を導入して開発に漕ぎつけた。
性能は消費電力が従来の液晶ディスプレイの半分になり、色の再現も高く、動きの激しい動画も表示が出来る。原理はMEMSという眼に見えないほどの、微小の電子機械式のシャッターを画素の数だけ作成し、1個、1個の画素にそれぞれMEMSシャッターを配置し、電圧印加に応じて、シャッターの開閉を超高速で連続動作する仕組みだ。さらにそこに従来は白色のLEDだけのバックライトとカラーフィルターや偏光板など、部品点数が増えコスト増になっていたが、今回の場合の光源は赤青緑の3色のLEDのバックライトだけで良い。先ほどのMEMSシャッターと3色のLEDがシンクロしながらシャッターの開閉を制御して、ディスプレイにカラー映像を表示する。このシャッター速度は100マイクロ秒、つまり0.0001秒、言い換えると1万分の1秒とまず従来の液晶との桁違いに驚かされる。応答速度が速いので残像は皆無である。各種のフィルターも不要なので色損失がなく、鮮やかな色調になる。今までの液晶の光の透過率に比べて約10倍も効率が上がっている。日立ディスプレイは、携帯電話端末をターゲットに2011年後半に量産を開始するということだが、個人的には携帯電話用と言わず、エコだし、応答速度も良いから家庭用の大型ディスプレイとして是非、早く実用化してほしい。この情報は先日当社スタッフが取材したので動画でチェックして欲しい。
日立ディスプレイズ・MEMSシャッターディスプレイ試作品を制作(動画)

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