日本を代表する技術「金属光造形」で作る金型制作

by Digitized Information on 2010年12月15日水曜日


数日前の新聞に「日本のレーザー研究開発」はレーザー先進国のドイツに比較したら、中学生並の技術だと書かれていたが、確かに国家的レベルではレーザーの核融合研究などは低調のようだ。一方産業界に目を移すと、レーザーを使った画期的な技術があるので紹介したい。その開発者はパナソニック電工(株)に在籍されている吉田徳雄さんだ。この人が開発したのは、「金属光造形・複合加工技術」による金型製造だ。金型とはみなさんが使っている携帯電話やテレビ・車・電車というように目に見える製品。例えばボールペンもペットボトルもそうだがそれを成形するときに必ず必要となる凹凸型を金型という。凹型と凸型の僅かな隙間に材料を入れて製品の外形が成形される。いわば大量生産できるのはこの金型のお陰なのだ。しかし昨今は携帯電話に代表されるように、次々に新製品が世に出回る。つまり金型は短納期で作らなければならない。設計段階から既に発売時期が設定されてるので遅れると他社製品に売上を取られてしまう過酷な環境なのだ。そういう中で金型製造は精度と時間がかかりやっかいなのだが、吉田さんはそこに革命的な発想技術を注ぎこんだのである。金型は普通大きな金属ブロック材をNCカーボン加工やNC旋盤やNC放電加工そして仕上げなどの磨きを含めて工程はまだまだあるが、この部分を特殊な金属の粉と特殊なレーザーの熱を制御しながら、ミクロン単位で工作精度も仕上げる技術を成功させた。その結果金型の制作期間も従来の約半分に抑えた。この光造形では従来の切削では難しい複雑な形状もクリアするという。この機械は2010年12月現在、世界数台しかない装置だそうだ。こういう技術は図々しい周辺の国家的詐欺大国が、勝手にコピーして自分達が開発したようなに極悪連中に根こそぎ持って行かれないよう注意したいものだ。
■「金属光造形複合加工技術」吉田徳雄様(パナソニック電工株式会社)
■金属光造形複合加工システムによる高機能射出成形金型製作(PDF)

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